年金の不払い問題



2007年09月10日(Mon)
年金の不払い問題
「年金の不払い問題」ということがいわれています。これをことば通りに解釈しますと、国が年金を支払わない、ということです。なぜ支払わないのかというと、年金保険料が支払われていなかったからです。ところが、被保険者が支払っていても国・社会保険庁が受け取っていないというので問題になっているわけです。

》京都知事も「年金未納扱いされた」 社保庁に怒り《
これは新聞記事の見出しです。「年金未納」としていますが、「年金保険料未納」(納付していなかったということなのですが、納付期日後であっても一括納付できるという制度があり、それができる期間中であれば未納付ということになるわけです)がいいたいことです。本文中では
《年金保険料を未納扱いされていたこと》
と書かれています。見出しのことなので短くする必要があったためかとも思えるのですが、たった3文字のことです。

なお、官庁に支払うことを納付といいます。税金や手数料を支払うことを納付というのはいいのですが、年金保険料を支払うことを納付というのには、その性格上、おかしな感じがします。

》未納年金5−10年分、一括払いで満額受給を《
こういう見出しもありました。記事本文では、
》国民年金の未納対策の一環として、過去の未払い保険料の一括追納を認める「特例納付制度」の再実施の検討に入った。《
という書きかたをしています。年金保険料の未払いのことを年金未納といっているように受けとれます。くどいようですが、年金保険料を支払うのは被保険者であり、年金を被保険者に支払うのは国なのです。

この方式で書くなら、
「国民年金の保険料は納めていたので」

「国民年金は納めていたので」
でいいことになってしまいます。

《納めたはずの公的年金の保険料が「未納」にされている》
《の年金給付係長が97〜99年、両親が未納だった厚生年金保険料を支払ったように偽装したり》
《国会議員に保険料未納が相次いで発覚したことによる》
と書いている記事もあるのです。おなじ新聞社の別の記事では、
》3年前の参院選は「年金未納議員はけしからん」《
と書いているのですから、記者自身が意識していないのかもしれません。

納付するのは被保険者であり、国が支払うことは納付とはいわないので、未納といえば保険料の未払いに決まっている──そのため、年金未納ということばで年金保険料未払いを意味させているというのでしょうかねえ。そうだとすると、「年金の不払い問題」というのは国が年金を支払わない問題ということではなくて、被保険者が年金保険料を支払わない問題、あるいは、被保険者が年金保険料を支払っているにもかかわらず不払い扱いされた問題であり、「年金保険料不払い問題」あるいは「年金保険料不払い扱い問題』ということなのですね。つまり、ことば通りに解釈してはいけないということになります。


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