平成18年度「国語に関する世論調査」について



2007年09月08日(Sat)
平成18年度「国語に関する世論調査」について
恒例の、文化庁による「国語に関する世論調査」の平成18年度分が発表されました。ことしの2月14日から3月11日にかけて調査されたものです。全国16歳以上の男女3,442人に個別面接調査を試み、得られた有効回答は56.4%の1,943人。ここ5年間でいちばん少ない人数になっています。有効回答比率も最低です。70%台であったものが昨年50%台に大幅に下がり、ことしは さらに下がっているのです。


問1 日常の言葉遣いや話し方、あるいは文章の書き方など、言葉や言葉の使い方について、どの程度関心があるか

"非常に関心がある"と"ある程度関心がある"をあわせて、男性が74.8%、女性が79.6%と、みなさん高い関心をお持ちのようです。このひとたちに、どのような点に関心があるかを問うたところ、

・日常の言葉遣いや話し方          ・・・・73.7%
・敬語の使い方               ・・・・65.5%
・文字や表記の仕方あるいは文章の書き方   ・・・・23.3%
・言葉の意味・由来やその歴史        ・・・・22.9%
・新語・流行語               ・・・・17.6%
・発音やアクセント             ・・・・15.4%
・パソコン・携帯電話などの情報機器が国語に与える影響
                      ・・・・13.0%
・外国語・外来語の使い方          ・・・・11.4%
・共通語や方言               ・・・・ 9.5%
・国語の教育や国語に対する対策       ・・・・ 7.8%
・国際化が国語に与える影響         ・・・・ 4.7%
・その他                  ・・・・ 0.6%
・分からない                ・・・・ 0.6%

という結果がでています。

書きかたよりも話しかたのほうに関心があるとみてとれます。重要なポイントです。


問2 言葉や言葉の使い方に関して、困っていることや気になっていること

・外来語・外国語の意味が分からないことがある     43.1%
・流行語や新しい言葉の意味が分からないことがある   42.5%
・辞書を引かなければ書けない漢字がたくさんある    34.2%
・年の離れた人たちが使っている言葉の意味が分からない 22.3%
・読めない漢字にたくさん出会う            20.5%
(以下略)

ことば意味の問題と漢字の問題に集約されるようです。

ことばの意味は辞書やネットで調べましょう。なに、外国語をすべて覚える必要はありません。その場で意味が分かればいいのです。滅多に使われない単語は覚えないほうがしあわせです。

教育漢字は書けるようにしなければならないでしょうが、それ以外の漢字は書けなくたってかまいません。書く内容を充実させるほうが大切です。ただ、読める漢字は増やしておくほうが得でしょう。最低でも常用漢字は読めるようにしておきましょう。もちろん意味は正確におぼえなければなりません。


問3、4、5 新聞・雑誌・ウェブニュースをどの程度読むか

         よく読む ときどき読む  読むの計
新聞        54.8%     24.7%     79.4%
雑誌        11.8%     32.1%     43.9%
ウェブニュース   14.9%     17.1%     32.1%

こういう設問は意味がありません。新聞で一番読まれているのは、テレビの番組欄だそうですからね。


付問 (問3、4、5で"よく読む" "ときどき読む"と答えたひとに)
   新聞・雑誌・ウェブニュースで使われている漢字を難しいと思うか

         むずかしい   やさしい
  新聞       21%       6%
  雑誌         7%     13%
  ウェブニュース    6%     16%

この回答、不思議なのです。"読む"と回答したひとでも読んでいないのではないかと思えるのです。なぜなら、新聞では基本的に常用漢字しか使いません。表外漢字にはルビか読みがなをつけています。それに対し、雑誌は常用漢字以外の漢字を頻繁に使用しています。ウェブニュースについては、それが新聞系か雑誌系かそれ以外かによって漢字の使用基準はかわっています。したがって、新聞の漢字が一番易しいはずです。新聞はむずかしいことを書いているといった偏見がこういう回答を生みだしているのかもしれません。


問6 漢字を習得する上で、どのようなことが役に立ったか(選択肢の中から三つまで回答)

《( )内は平成14年度調査結果。記載のないものは今回の発表サイトに書かれていなかったものです。サイトで公開されている平成14年度の資料にはこの設問については記載されておりません。知りたければ報告書を買えということでしょう》

・何度も手で書くこと        ・・・・68.7%(74.3%)
・辞書(電子辞書,インターネット上の辞書を含む。)を小まめに引くこと
                  ・・・・50.9%(65.9%)
・ワープロ,パソコンの漢字変換
                  ・・・・18.0%(12.3%)
・部首やつくり,漢字の構造について説明を受けること
                  ・・・・15.4%(22.1%)
・漢文を読むこと          ・・・・14.5%
・振り仮名(ルビ)の多く付いた文章を読むこと
                  ・・・・14.2%
・振り仮名(ルビ)の付いていない文章を読むこと
                  ・・・・13.9%
 (「その他」「何もない」「分からない」の記載は省略されています)

何度も手で書く、というのは小学校時代の思い出からでしょうか。わたしの場合は、文字をじっと見ます。観察してパターンを認識するのです。手で書いたときに、形がおかしいものですと、間違っていると判断できます。こういうかたは多いのではないでしょうか。"文字を見る"というのが選択肢にありませんね。

おもしろいのは、ルビについての正反対の回答がほぼ同率であることです。実際はどちらのほうがいいのでしょうかねえ。ルビがなければ漢和辞書にあたるということになり、文字の形をみることが求められるので覚える、ということでしょうか。わたしの場合は、ルビいっぱいの小説で覚えたように思えます。


問8 常用漢字表があることを知っているか

 知っているひ 51.3%
 知らなひと  44.7%
 分からない    4.1%

「分からない」は知らないということでしょう。

半分のひとが知らないということですよ。

知っているひとのうち、常用漢字表を気にしないというひとが60.3%もいます。一般人は常用漢字に縛られているわけではないので、気にする必要がないからなのでしょう。気にしなければならないのは、新聞人と小中学校の教師ぐらいのものでしょう。


時間がなくなってきました。この続きは、あした、書きます。あしたは、漢字のこと、慣用句のことを書く予定です。


【新聞報道】
漢字どう書く?辞書より携帯 20代8割 国語世論調査(asahi.com 2007-09-07)
20代は「携帯で辞書代用」(iza! 2007-09-07)
「誰」は「勺」より使用頻度高い=文化庁調査(時事通信出版局 内外教育研究会 2007-09-07)
大騒ぎ「上や下へ」が59% 文化庁の国語世論調査 (共同通信 2007-09-07)
慣用句、目立つ誤用 文化庁が国語世論調査(CHUNICHI Web 2007-09-08)
若者は漢字大好き…ただし「読めても書けず」(iza!/産經新聞 2007-09-08)
増える「交ぜ書き派」漢字力、進む二極化(iza!/産經新聞 2007-09-08)



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